上馬ガソリンアレイという時代 その5
進さん(しんさん)。
このライブハウスのマスター・進士晃一さんのことを、出演者たちはそう呼んでいた。
その進さんがこの世を去ってから、今日で4年が経った。
「親心だったんだよな……」
出演者のひとりはこう振り返る。
ひとくせもふたくせもある性格で、出演者を怒ることもしばしば。でも、それは出演者たちを育てようとする親心。愛するわが子に怒ったことがない親が果たしているだろうか。進さんは、出演者たちとそれだけ本気で向き合っていた。
性格が合わず、店から離れる出演者もいる一方で、心底気に入ると、進さんは彼らをとことん助けた。
「これ食ってけよ」。生活費もままならないミュージシャンの卵に、進さんは手作りのカレーをふるまう。上馬ガソリンアレイは、音楽を聞かせる「ライブハウス」だけれど、マスター特製の「ガソリンカレー」もまた、絶品だった。
ほろ酔いでいい気分になると、よくロッド・スチュアート(Rod Stewart) の”Sailing”を歌っていた進さん。頑固おやじの「航海」は、これで終わったんだろうか。それとも、航海は天国の海でも続くんだろうか。
※ 現在、上馬ガソリンアレイ卒業生(出演者の方々)の情報を、ツイッター・Facebookなどで収集しています。この記事をお読みの方で、上馬ガソリンアレイのマスター・進士晃一さんをご存知の方、ぜひお話をお聞かせください。
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<本ブログ内リンク>
上馬ガソリンアレイという時代 その1
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上馬ガソリンアレイという時代 その2
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/07/blog-post_16.html
上馬ガソリンアレイという時代 その3(杉山清貴さん)
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/07/3-7-17-56-32-freelance-writer-mika.html
(河島英五さんもまた、ガソリンアレイの卒業生でした)
映画『ありがとう』(2006年/日本)そして『生きてりゃいいさ』(河島英五)
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2016/01/blog-post.html
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