移民を受け入れ、多様性を尊重してきたヨーロッパに、暗い影が落とされています。
今から約1年前、(2015年11月)、「パリ同時多発テロ」と呼ばれる事件に始まり、危険ではないと思われていた場所で、無差別に多くの命が奪われています。そして今日は、トルコのロシア大使の射殺、ベルリンのクリスマスマーケットのトラック突入というニュースが……
それでも、私はヨーロッパの「寛容さ」を信じようと思います。
****************************************************
『TOMORROW パーマネントライフを探して』(原題:Demain)
“Je
vais bien, ne t'en fais pas”(邦題『心配しないで』または『マイ・ファミリー 遠い絆』)で、成長していく少女を体当たりで演じたメラニー・ロラン。あれから10年ほどの歳月が流れた。彼女は、新人のフランス女優から、ハリウッドへと羽ばたき、今では映画監督も手がけるほどになった。そんな彼女が、このドキュメンタリー映画で、「子を持つ母」として、未来を案じ、今、自分たちにできることが何かを模索する。
©MOVEMOVIE - FRANCE 2 CINÉMA - MELY PRODUCTIONS
「私たちが今のライフスタイルを続ければ、人類は絶滅する恐れがある。それも決して遠くない未来に」
2012年、21人の科学者たちが『ネイチャー』に発表したこの警告が、映画製作のきっかけとなる。自分たちの未来を守るために、何ができるのか—— メラニー・ロランは何者を演じることなく、等身大の姿で国内外を旅し、さまざまな社会活動を行う人々と出会う。
自給自足を始めたデトロイト(米国)、トッドモーデン(英国)。自然と共存する農法が決して非効率ではない、むしろ効率的であることを証明したル・ベック・エルアンの農場(フランス)。島内の再生可能エネルギーが35%というレユニオン島。ゴミ・ゼロの都市として知られるサンフランシスコ(米国)。「教師は絶対ではない」と自戒し、理想的な教育を追求するフィンランド・・・・・・この映画には、人の良心を信じ、地球を愛し、自分たちの力で未来を創っていこうとする人たちが出演する。
インタビューを受ける活動家たちは、決して、活動していない人を責めることはない。誰でも、何かができることを教えてくれる。優しく、明るい目で。
インドのヴァンダナ・シヴァ女史のまなざしが忘れられない。
彼女はこう問いかける。
「"逆らう"ことがよい未来をつくるの?」と。
私たちが守るべきことは2つだけ、と彼女は言う。1つは、地球からの贈り物(自然や資源)を大切にすること。そして、もう1つは個人を尊重すること。
私たちが守るべきことは2つだけ、と彼女は言う。1つは、地球からの贈り物(自然や資源)を大切にすること。そして、もう1つは個人を尊重すること。
私たちひとりひとりは、個人として独立している。完全に自由なのだという彼女の言葉に、心が救われる。
©MOVEMOVIE - FRANCE 2 CINÉMA - MELY PRODUCTIONS
監督: シリル・ディオン メラニー・ロラン
脚本:シリル・ディオン
製作:ブリュノ・レビ
出演:シリル・ディオン メラニー・ロラン ロブ・ホプキンス バンダナ・シバ
ヤン・ゲール ほか
2015年/原題: Demain/ フランス/ 120分/フランス語/カラー
配給:セテラ・インターナショナル
http://www.cetera.co.jp/tomorrow/
2016年12月23日(土)より
渋谷シアター・イメージフォーラムほか、全国順次公開
0 件のコメント:
コメントを投稿