2017年6月24日土曜日

『夜明けの祈り』(Les Innocentes)が始まる

昨日、623日は『沖縄慰霊の日』でした。
そして毎年、この時期に『フランス映画祭』が日本で開催されるようになって、25年目となりました。
戦争の悲惨さを語る映画がまたひとつ、フランスから日本へ届けられます。
今日、624日(土)に上映される『夜明けの祈り』です。

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フランス映画祭2017速報2
『夜明けの祈り』(Les Innocentes)が始まる

映画の舞台は、194512月、ソ連侵攻下のポーランド。
この頃のソ連軍はポーランドにとって「英雄」だった。
ドイツからポーランドを解放したからだ。
でも、英雄は裏の顔も持つ。
アジアのさまざまな地域で、日本軍がそう見られていたように。
ソ連軍がどんな蛮行を重ねたのか。
21世紀のヨーロッパでは、それを知る人は決して少なくない。
ソ連軍によって、レイプされた女性たち。その中には、神に仕える修道女たちもいた。
男性と交わらず、神に貞節を誓った彼女たちもまた犯された。
殺された者もいれば、妊娠した者もいた。
本当にあった話だ。
『夜明けの祈り』はこの史実をもとにつくられた。
そして、史実の中に、主人公・マチルド(ルー・ドゥ・ラージュ)のような人物も実在している。その名を、マドレーヌ・ポーリアックという。

「信仰の始まりは、子供のようなものです。父親が手を引いてくれる。しかしいつか、その手が離され、暗闇を迷子になる。十字架は喜びの背後に必ずあります」
シスター・マリア(アガタ・ブセク)がマチルドに語る台詞が心を打つ。

今日、フランス映画祭2017会場で、18:00から上映予定。上映後には、アンヌ・フォンティーヌ監督と、主演のルー・ドゥ・ラージュさんのトークが予定されている。

戦争で命を失った多くの人たちに、祈りをこめて……



(アンヌ・フォンティーヌ監督はフランス映画祭2015でも来日。写真は2015年来日時のもの。
このとき監督が手がけた作品は『ボヴァリー夫人とパン屋さん』だった)
©Mika Tanaka)


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昨日、映画祭で上映された『ELLE エル』の主演をつとめたイザベル・ユペールさんは、「いちばん印象に残っているシーンは?」という会場からの質問にこうこたえました。
「小鳥が死にそうなシーンです」
そんな小さな命でも救おうと尽くしていた主人公。ユペールさんは「命の大切さ」を、たったひとことで表現しました。
この言葉が623日という日に私たちに投げかけられたことに、とても大きな意味を感じます。



<本ブログ内リンク>

フランス映画祭2017速報 1
ルー・ドゥ・ラージュさんと会う

フランス映画祭2015 その2 『ボヴァリー夫人とパン屋さん』トークショー
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/07/2015.html

<公式サイト>

フランス映画祭2017


『夜明けの祈り』

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