2015年9月3日木曜日

映画の中のこどもたち その1『バレエボーイズ』(Ballettguttene)

『バレエボーイズ』(Ballettguttene/2014年)
監督:ケネス・エルヴェバック (ドキュメンタリー映画)

舞台はノルウェーの首都・オスロ。
バレエスクールに通い、プロのバレエダンサーをめざす3人の少年たちをカメラが追う。
ルーカス(Lukas)、シーヴェルト(Syvert)、トルゲール(Torgeir)
この3人の、12歳から16歳までの大切な時間の一部を、私たちは映画館で共有する。
「プロになりたい」
そんな夢に向かう彼らを待つのは、ひたすら練習に励む日々。バレリーナをしっかりと支えるだけの筋力を身につけるため、上半身を黙々と鍛えぬく。当面の目標は、オスロ国立芸術アカデミー(KHiO)に入学すること。

女の子の話で盛り上がることはある。
週末のパーティーに興味がないわけでもない。
同世代の友だちと会話したりふざけあったりもする。

他の多くの十代のこどもたちと彼らとの間に、大きな違いはあるだろうか?
あるかもしれない。ないかもしれない。
ただひとつ言えることは、彼らが、十代前半という人生の助走期間の間に「自分の進む道を自分で決定した」ことだ。周りの大人から決められたのではなく、自らの意志でバレエダンサーという道を選び、自らが望んで苦難の道を進んでいる。
この子たちがカメラの前で「こんなはずじゃなかった」と弱音をはくことはない。




2015829日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、
渋谷アップリンク、名古屋名演小劇場ほか全国順次公開



「もし、バレエダンサーになれなかったら?」

ルーカスも、シーヴェルトも、トルゲールも、そんな不安が夢と一緒についてくることをちゃんと知っている。だからこそ、「今」というときを必死で生きる。

十代のこどもたちだって、こんなふうに生きている。
だったら、彼らより多くを学んだ私たちだって、こんな生き方はできるんじゃないだろうか? 

「こんなはずじゃなかった」
あなたが、こんな弱音をはくことのない人生を送ることができますよう。
自戒の念を込めて。

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2015年7月にノルウェー軍に入隊したトルゲール(Torgeir)君へ。
あなたの新しいスタートが、幸せに満ちたものでありますよう。
あなたが危険な状態にさらされない社会でありますよう。


<公式サイト>
バレエボーイズ

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