2016年11月21日月曜日

『ビフォア・ミッドナイト』(BEFORE MIDNIGHT)その1

リチャード・リンクレイター監督の最新作、『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』の上映が、首都圏で始まっています。
彼の作品のすべてに流れる普遍的なテーマは、言葉で表現するのが難しいから、だから、ぜひ映画を直接見てほしい、と思ってしまいます。
彼の過去作品、「ビフォア」シリーズをご紹介します。

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『ビフォア・ミッドナイト』(原題:BEFORE MIDNIGHT / 2013年米)その1

〜「持続可能な恋愛」はいかに存在するか〜

  「男たちは魔法があるって信じているの!?
 皿洗いやら料理の支度やら、雑多な家事をこなす妖精がこの世にいるとでも思っているのかと、セリーヌ(ジュリー・デルピー Julie Delpy)が、ジェシー(イーサン・ホークEthan Hawke)に向かって弾丸のように言葉を発する。


『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』(原題:BEFORE SUNRISE/ 1995年米)では、2人が出会い、恋に落ち、ウィーンを歩いて別れるたった1日の出来事が描かれる。続いて、『ビフォア・サンセット』(原題:BEFORE SUNSET /2004米)では2人の9年後の再会が、パリを舞台に繰り広げられる。そしてさらに9年後を描いたのが、この『ビフォア・ミッドナイト』だ。犬も食わない夫婦ゲンカのシーンが、なぜこんなに愛おしくみえるのだろう?

 このシリーズのもとになったのは、監督・リチャード・リンクレイター(Richard Linklater)自身の実体験。彼は、セリーヌのモデルとなった女性と出会い、再開を夢みて、そのためにこのシリーズを手がけたと言っても過言ではなかった。けれど、彼女は『ビフォア・サンライズ』が公開されるずっと前、25歳の若さで他界していたことを、後に知る。

ああ、だからか。だから、この映画は、こんなにも切ないんだ。どんなに悲しい現実があっても、映画はいつでも私たちに夢を見せてくれる。だから、前を向いて歩いていけるのだと思う。

<本ブログ内リンク>

6才のボクが、大人になるまで。』(BOYHOOD)

6才のボクが、大人になるまで。』(BOYHOOD)その2


<公式サイト>

『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』


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